『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

1月31日 「悩んで一睡も出来ない日もある」

幸之助は、ある日、はっと気づいたのです。
人間、何の問題もないことを望むのは当然ですが、やっかいな
ことに人間は、何か悩みがないと、生きる張り合いがなくなって
しまうものだ、と。

それは、悩みを解決出来るのは人間だけだからです。
「悩みを解決するために、人間は生まれてきたのだと考えるよう
になって、初めて本当の意味で生きる元気が出た」と喜んでおり
ました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

1月30日 「経営学と経営とは違うで」

「経営学と経営とは違うで。
経営学は勉強すればわかる。教わることも出来るが、
経営は、体で覚えるものや。頭で経営をやってはいかん。
自分の生命で魂をぶつけて、初めて体得するものや。
経営は、理屈ではない。市場の事は市場に聞けばよい」
幸之助は、現場に戦略ありで、いつも現場に足を運んでいました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

1月29日 「マーケットは自ら創りだすもの」

「本当の経営は、すでにマーケットがあって、それから果実を
もぎ取るような、そんなものではない」と、幸之助はいつも厳
しく叱っていました。

マーケットは与えられるものではなく、奪い合うものでもない。
未開の原野を切り拓くものです。そこに成功の扉が待ってい
るのです。

田を耕し、肥料を入れて、手を入れて、初めてマーケットは
出来あがるのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

1月28日 「お得意先に教えてもらった」

幸之助は、創業当初、自ら商品を研究・開発し、自ら製造し、自ら
販売にあたっていました。

「木野君、商売とはうまく出来てるで。僕は電気のことはまったく素
人だったので、これ、なんぼで売ったらいいのでしょうか。問屋さん
のご主人や番頭さんに教えてもらって、商売してきたんや。その時、
商売のコツを会得したのは、君、真実を訴えるということやったで」
これが、松下電器の当初の商法でありました。

そして、この真実を訴えるという考え方が、経営の神様を創ったの
です。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
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―この時代をいかに乗り切るか―

1月27日 「経営のコツ、ここなりと気づいた価値は百万両」

昭和8年5月、38歳の時、自主責任の経営を進めるため、日
本で初めての事業部制に踏み切った松下幸之助は、さらに翌
9年の元旦に、従業員への新年のお年玉として、この言葉を贈
りました。

それは、企業経営の根幹は、いつに従業員の創意工夫にある
ことと、従業員一人ひとりが経営意識をもって、仕事に取り組む
ことの大事さを教えたもので、永遠に変わらない松下の基本的
な考え方の一つとなっています。