安岡正篤 一日一言

安岡正篤 一日一言

心を養い、生を養う

12月26日 

三宝
老子にいわゆる「老子三宝の章」という有名な一章があります。
我に三宝あり。(持して之(これ)を保つ。)
一に曰く慈。

二に曰く倹。
三に曰く敢(あえ)て天下の先とならず。
慈なり、故に能(よ)く勇。倹なり、故に能く広し。
敢て天下の先とならず、故に能く器の長と成る。
今慈を舎(すて)てて且(かつ)勇に、倹を舎てて且広く、後(おく)るを舎てて先んぜば、死せん。

我に三宝あり。
第一に慈。
第二に倹。
第三に人を先にやる。
世間の人間は先頭になろうとして争うが、そういうことをしない。
慈愛があるから勇気が出る。
倹、つまりくだらぬ私心私欲に関心がないから心が広い。
愚人俗人と競争などしないから自然に大物になる。
今これに反して、慈愛を捨てて勇に、倹約におかまいなく、あれもこれもとなり、人を先にやることを捨てて己(おのれ)が先に立てば、生を失ってしまう。
その通りですね。
今日のような到るところ矛盾・衝突・混乱の社会になったというのも、要するに人聞が慈を捨て倹を捨て省を捨てて功利に走ったからでありまして、こういう社会に生きておると、本当に肉体的にも生命的にもだんだん病的になってまいります。

 

福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより