『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

5月30日 「士道と云ふは」

 

士道と云ふは、無礼無法、粗暴狂悖の偏武にても済まず、記誦詞章、浮華文柔の偏文にても済まず、真武真文を学び、身を修め心を正しうして、国を治め天下を平かにすること、是れ士道なり。  安政3年8月以降「武教全書講録」

【訳】

士道、武士として踏み行うべき道義というものは、礼儀にはずれたり、道理に合わなかったり、荒々しく乱暴で、道義に背いた非常識な言動をするような偏った武ではいけない。また、そらんじるばかりで、これを理解することに努めず、また実践しない学問や、上辺ばかり華やかで内容がない、という偏った学問でもいけない。真の武、真の学問を学び、身を修め、心を正しくして、国家を治め、天下を平らかにすること、これが士道である。