『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

7月23日 「無丁の野漢」 

 

大抵文辞ある人は言語信じ難し。無丁の野漢、是れ僕の※1此の人を取る所以なり。  安政6年正月2日「※2子遠に与ふ」

【訳】

だいたい、ちょっと学問をして、得意になっているような人の言葉は信じられるものではない。しかし、文字は全く知らなくても、上辺を飾らず、誠実であること、これ
が僕がこの人を信用する理由である。

※1「此の人」とは、野山獄の番人であった孫助をさす。

※2 長州藩の足軽 入江杉蔵。松陰の高弟。村和作は実弟。