『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

7月25日 「治国の要は」 

 

治国の要は賢を挙げ能を用ふるに在り、是れ古今の通論なり。然れども徒らに挙げて之を用ふるを知りて、而して之を鼓舞激厲するを知らざるは、其の初にして則ち未だ
しきなり。  安政4年4月上旬カ「※周布公輔に与ふる書」

【訳】

国家を治める際の要点は、賢者を登用し、能力のあるものを採用することである。これは昔から今に至る、人々の認める真理である。しかし、今、挙用することを知って
いながら、これらを激励し、気持ちを奮い立たせる、ということを知らないというのは、人を用いるということの初心者であり、人を挙用するにはまだ早すぎる。

※長州藩士 周布政之助公輔。松陰の同志だったが、後、離反。松陰刑死後、遺骸埋葬を助けた。