『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

9月29日 「己が任と為す」

綱常名分を以て己が責と為し、天下後世を以て己が任と為すべし。身より家に達し、国より天下に達す。身より子に伝へ孫に伝へ、雲仍に伝ふ。達せざる所なく、伝はらざる所なし。達の広狭は、行の厚薄を視し、伝の久近は、志の浅深を視す。  安政3年7月18日「久坂玄瑞に復する書」

【訳】

人としての正しいあり方を守ることを自分の責任とし、天下後世を維持発展させることを自分の任務と自覚しなさい。人としての正しいあり方を、我が身から家に広げ、国家から天下へと広げる。また、子・:孫へ伝え、更には雲仍、八代目の孫にまで伝える。(正しい教えであるから)広がらない場所はなく、伝わらない世代はない。広がりの広狭は、己の行いが誠実であるか否かを示し、また、どの世代まで伝わるかは、志が高いか否かを示す。

※ 長州藩医の子 久坂玄瑞。松陰が高杉晋作と共に最も期待した高弟の一人。吉田松陰の妹文が嫁いだ

常に清き日本人として恥ずべき事はないかと確認し、
人生の王道を歩みます。