『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

11月30日 「一心不乱になりさへすれば」

人は一心不乱になりさへすれば何事へ臨み候てもちつとも頓着はなく、
(中略)世の中に如何に難題苦患の候ても、それに退転して不忠不孝無礼無道等仕る気遣ひはない。   
 安政6年4月13日「※妹千代あての書翰」

【訳】

人は一つのことに心を注ぎ、他のことのために心乱れることがなくなりさえるすれば、
何事にも臨んでも深く気にかけるということはなくなる。
(中略)世の中のどんな難題や苦しみ・悩みに遭ったとしても、
それで心がくじけて不忠・不孝・無礼・無道などの状態に陥ってしまう心配はない。

※杉家の長女で、松陰より二歳年少の妹。一番仲がよく、終生、松陰の世話をしたといわれる。