親思う心にまさる親心

成功の条件には、いろいろな要因がありますが、
その一つは、成功するまで諦めないことです。一度の失敗で諦めてしまえば「失敗」のままですが、成功するまで継続すれば、失敗は「成功までのステップ」となります。
継続する力こそ成功の基盤。それは仕事のみならず、人生全般においても同様でしょう。
 では、継続する力を得る秘訣はどこにあるのでしょう。『万人幸福の栞』には、何事においても「本」を忘れないという意識が大切だと説かれています。
「終始一貫ということは、成功の秘訣であるが、これが出来ないのは皆、本を忘れるからである」
ここで述べられている「本」とは、両親、祖先、兄弟姉妹、親類縁者、師、友人、上司、同僚、取引先、顧客など多くの人々や、衣食住に代表される様々な物資、自然の恵み(太陽、空気、大地、火、水…)のことです。
中でも、本につながる第一歩として最も相応しいのは、両親の存在でしょう。
命の根元である父親、母親のことを深く知るところから、本につながる心が豊かに育まれていきます。
ただ、「両親に感謝したくてもできない」という人もいるかもしれません。親に可愛がられた記憶がない、親に自分の人生を台無しにされた、父母のことは思い出したくもない…。感謝どころか、恨む気持ちを払拭できないまま、今日まで来た方もいるでしょう。
長い時間をかけて蓄積された親へのマイナスの感情は、一足飛びには変わらないかもしれません。そうした場合、これまでと違った視点で、親の心情を汲み取っていく作業が必要になります。その一つとして、たとえば、自分の人生を親の視点で振り返ってみてはいかがでしょう。
自分が生まれた時、学校に入学した時、卒業した時、反抗期、就職した時、病気をした時…。人生における様々な節目を、親の目線で振り返る。もし自分に子供がいるなら、親としての実感を重ね合わせながら、思いを馳せてみる。
〈今の自分と同じように、父も自分の成長を喜んでくれたのか〉〈あの時母はどれだけ悲しんだのだろうか〉と、少しずつ思いをたぐり寄せていく中で、これまでとは違った親の心情に触れることができるはずです。やがて、親の愛情を理屈ではなく実感として感じることができるでしょう。
幕末に活躍した吉田松陰は、二十九歳で処刑される前に、「親思う心にまさる親心 今日のおとずれ何ときくらん」という辞世の句を詠みました。「親思う心にまさる親心」とは、「子が親を思う気持ち以上に、親が子を思う気持ちは強い」というものです。
親から与えられた様々な恩恵を自覚し、その思いを胸に行動することは、困難を乗り切る知恵となり、失敗しても諦めない気力を湧き立たせるでしょう。
「おかげさまです。ありがとうございます」という感謝の気持ちを深めて、人生そのものを成功へと導いていきたいものです。
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両親、ご先祖様のお蔭で今の自分がいます。
今でも心配をかけ続け、親孝行はできませんが、
感謝の気持ちはイッパイです。
いついつまでも感謝の気持ちは忘れず日々努力します。