高き信仰心を持ち優良企業を目指そう

倫理法人会には唯一のライセンス制度として、「倫理17000」があります。同ライセンスは倫理法人会の会員企業の中で、倫理経営を顕著に実践している企業が認定されるものです。去る11月には認定企業が集まった「倫理ライセンス17000倶楽部」が石川県金沢市において開催されました。
 倫理経営の具体的な実践例などを学ぶもので、参加者はその学びを通して倫理経営に磨きをかけ、互いに切磋琢磨し合いました。その中で、創業百年以上続く企業に共通する特徴についての話があり、「多くが社内に神棚を備え神様を称え、その大いなる存在の力(ご加護)を受けている」という内容でした。
 倫理法人会の会員心得の一つに、「一宗一派に執せぬ高き信仰と道義実践を生活の両翼と致します」とあります。前半部分の「一宗一派に執せぬ高き信仰」とは、特定の宗教宗派には偏らず、不自然ではない宗教心(信仰心)を自分自身の中で高めていこうというものです。
 倫理運動の創始者である丸山敏雄は、「信念ある文化生活」(『歓喜の人生』)の中で、信念ある生活(経営を含む)のために正しい宗教心を持ち合わせることの重要性を述べています。
家庭における文化の中心として、特に取りあげて考えなければならぬことは、宗教である。宗教は人格の中軸をなすとともに、家庭和楽の中心をなす。中心がふらついていると、何事か起こった時、たちまちとまどいしてしまう。宗教こそは、人間生活に不動の中心を打ち立てるもの。人は、強い信念・信仰によって、はじめて生活が確立する。
また「これからの教育」(同上)という論文では次のようにまとめています。
アメリカが今日の大を成したのは、科学でもなくドルの力でもない。その基盤に一貫して不動なるピューリタンの精神があったからである。我国の再建も、この宗教教育をよそにしては思いもよらぬことである。
 倫理経営の基盤となる純粋倫理は、宗教ではありません。しかし日々の生活の中で、神仏(大いなる存在)との関わりを大切にする一面があります。例えば『万人幸福の栞』では、第十五条「祈りは神にすがって信念を確立するのである」や、第十七条「人生は神の演劇、その主役は己自身である」などです。
 ある経営者は、その問題を解決しなければ廃業にもつながる難問を抱えていました。その時に、この宗教心の大切さとそこから派生する信念を持ち合わせる重要性を知って、毎日先祖の墓に誓いを立てに行き、信念を貫き通しました。その結果、奇跡的にその難問をクリアし、さらに新たな発展を成し遂げることができました。
 常に「神仏に見守られている」と神仏を認め、これをあがめる時、不思議な力や奇跡的な結果が現われることを信じ、困難な現代においても逞しく生き抜きたいものです。