『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

4月28日 「万事自ら」

 

※文王を待ちて而る後に興る者は凡民なり。夫の豪傑の士の若きは文王なしと雖も猶ほ興る。凡民と豪傑の分を明かに知るべし。豪傑とは万事自ら創して敢へて人の轍跡を践まぬことなり。  安政3年5月17日「講孟劄記」

【訳】

文王のような心のある立派な王の指導を受け、その後で意気を奮い起こすようなものは凡民、一般の民衆である。豪傑、つまり傑出した人物というものは、文王の指導を受けなくても、みずからの力で興起するものである。凡民と豪傑との違いをはっきりと知るべきである。武勇にすぐれ肝っ玉のすわっている人は何事も自分で創意工夫するものであり、決して他人の行った真似などはしないものである。

※?~紀元前11世紀ごろ。 中国の周朝の始祖。