『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
11月4日  「苦労の連続」
「木野君、浮かぬ顔をしているなあ」
 
 私が苦労の連続をしていることを見抜いた幸之助に言われた言葉です。
 人の協力も得られない、運転資金にも事欠く状況の東方電機再建の時でした。
「君な、くよくよしても解決しない。苦労を楽しめるようになれば
 道が勝手に開くんや」

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
11月2日  「欲望を見つめ直す」
幸之助は、人間の欲望を容認していました。
人間の生きるエネルギーの、根源の一つと考えていたのです。
しかし、欲望は時には人間の心を曇らせたり世の中を照らしたり
することもできます。
すべては本人の心の持ち方次第なのです。
素直な心で自分の欲望を見つめ直すべきです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
11月1日 「幸せに生きる道」
至誠に生きた人が幸之助でした。どんなことに対しても、
誠実に接し、真剣にベストを尽くして行動したのです。
人生には、予想もしない結果が生じます。幸之助は、
苦労する時にも誠実に苦労に取り組み、
そのことで人々の心を動かしていったのです。
誠意誠実以上に幸せに生きる道はありません。
「君、誠実が一番大事やな」
ある時ポツリと幸之助が言ったことを覚えています。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
10月31日  「人間のもっとも美しい姿は」
「頂上は一つでも、道は無数にある。しかし、道は無数にあっても、
 正しいとは一つのところに止まることをいうのだよ」
 懐かしい幸之助の言葉です。
 人間の最も美しい姿は、その人が精一杯正しいところに
 止まって真剣に自分の仕事に打ち込んでいる姿です。
 体験を通じて、身についたものは、その人だけに与えられた、
 なにものにも勝る宝です。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
10月30日  「自分が代わってやる」
「任せてもだめな場合には、自分が代わってやる。
具体的な指示をする。
具体的な方法を提案する。
任せて任さずとはこのことや」
幸之助は、部下の足らざるを補って、初めて部下に責任をもって
任せられるものだと言っています。
七〇の力を持つ者には三〇の足らざるところを上司が補ってあげる。
つまり、三〇を放任してはだめなのです。