『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月23日  「松下経営哲学を語れ」
私は平成10年に幸之助の夢を見ました。
まだ若いとき、私のことを「熱心な子でしてね」と紹介して
くれたのです。
本当に今、思い出しても歓喜に絶えません。
94歳で亡くなるまでの44年間、振り返ると迷惑ばかりを
掛けていました。
しかし、側にいる機会が多かったせいか、よく叱られ、そし
て育てられました。
松下経営哲学を語り継ごうと決意したのは、夢を見た時
からです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月22日 「結果だけでは」
幸之助は結果を大切にした人です。
しかし、経営理念に反する結果を評価しませんでした。
私はファクシミリの開発の時に結果を急ぎました。
大赤字ですから、なんとか良い結果を創ろうと思ったからです。
しかし、どんなに自社に有利なことでも、よく叱られました。
「神が許さん」という言葉で注意されたこともあります。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月21日  「一念が大事」
一事が万事と言いますが、一つのことに集中して努力している
人は、時間の差はあっても必ず成功します。
幸之助はこうした天地の理法を感じていたと思います。
私があきらめそうになると、「道を変えたらあかん。どんな逆境
に出会っても、初心にかえって最後までやり遂げるんや」と、励
ますように諭してくれました。
あれもこれもと、気の多い人のことを器用貧乏と言いますが、
一念が大事です。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月20日  「経営のコツをつかむ」
私が一番苦労したのは、東方電気の再建でした。
何度も何度も幸之助に叱られました。
そしてそのたびに、上手くいくコツを体得していったように思い
ます。
「君な、上手くいくかどうかは、経営者自身の問題や。経営の
コツをつかんでいるかいないか、それが成功するか失敗する
かを決めるんや」
人間は反省しながら挑戦し、挑戦しながら反省して経営のコツ
をつかんでいくと思っています。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月19日  「人を動かす」
幸之助は社員をとても大切にしました。
「社員が多くなればなっただけその分の心配を背負うのが
社長の役目や」と、常々言っていました。
そして私を励ますように「しかしな、辛く苦しいがそこに指導
者の生きがいがある」と諭されました。
叱るべきときは叱り、いたわるべきところはいたわる。
寛厳、よろしく導いて行くところに、人間の真の成長がある
のです。