『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月14日 「わからないことは人に尋ねる」

自分でわからないことは、人に尋ねる。
素直な気持ちで聞き、静かに考えれば、行くべき道は、
自ずと決まるのです。
幸之助は、何でもよく私に聞きました。
聞かれた方は、嬉しくなって、一生懸命に答えます。
人生問答は、確かにその人を向上させます。
これが成功の方程式です。

愚痴をこぼせば幸せがこぼれる

私たちが学ぶ純粋倫理は、何か行動を起こす際の心の持ち方で、結果も大きく変わってくると説いています。
心を明るくして、喜んで行なうようにすると物事が好転した、相手とのコミュニケーションがうまくいくようになった、職場の雰囲気が変わった…といったことは、倫理を学ぶ多くの人が実感していることでしょう。
反対に、憂える心、嫌がる心、妬みや嫉妬、怠け心といったマイナス感情は、自身の成長を妨げ、
時に事業の停滞をも招く原因ともなります。
Aさんは入社して十年が過ぎた中堅社員です。仕事に懸命に取り組む姿勢が評価され、職場内で信頼されて
います。
しかし、管理職になると同時に、これまでにない仕事量とプレッシャーに苛まれるようになりました。
気がつくと、「大変だ」「面倒だ」「忙しい」「無理」が口癖となり、周囲に愚痴をこぼす毎日でした。
否定的、消極的な言動が増えるに連れ、仕事もはかどらなくなり、ついには期日までに仕事が
終わらないという事態が頻発するようになってしまったのです。
自分ではどうすればいいのかわからなかったAさん。停滞から抜け出せたのは、客観的に状況を察知した
上司のアドバイスでした。 
「A君は最近あまり笑わなくなったね。同じ物事でも、心の持ちようで結果は変わってくる。愚痴をこぼせば
幸せをこぼすというじゃないか。君が『大変』というその仕事は、君ならできると期待されて任されていることだから、今が大きく変わるチャンスだと思って、取り組んではどうだい」
上司の励ましを受けたAさんは、自らを振り返り、消極的な言葉がクセになっていたこと、周囲を信頼せず、
仕事を抱え込んでいたこと、自分で限界を定めてあきらめていたことなど、マイナスの感情で動いていたことを反省しました。そして、自分にできることだからこの仕事が与えられたのだと喜んで受け止めようと
決心しました。
すると、同じ仕事でも、進み方は断然違ってきたのです。今までなら顔をしかめていた場面でも、まず笑顔を
心がけていると、気持ちが楽になり、意欲や情熱が戻ってきました。与えられた仕事は、質量を問わず、
期日までに終えられるようになり、周囲からの信頼も回復してきました。やがて、いつも笑顔だったAさん
らしさを取り戻していったのです。
今日、医学の分野でも、人の心と肉体は一体をなし、「心の健康なしには肉体の健康もありえない」という
心身医学の研究が進められています。純粋倫理においても、「一人の明朗な心境(こころ)は、その人の肉体健康
の元であり、家庭健康の中心であり、事業健康の根源(もと)である」と説きます(『万人幸福の栞』)。
一人の心の明朗は、自己の成長を助けるだけでなく、周囲の人の心にも伝播して、家庭や職場の雰囲気を
変えていきます。日々朗らかな心を忘れず、家庭に愛情を、仕事に情熱を込めていきましょう。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月13日 「熱意だけは
最高でなければならない」

経営者は、経営に対して熱意だけは最高で
なければなりません。

「この子は、熱心な子でしてね」と、幸之助は、
私を紹介する時にいつも言っていました。

後でわかったことですが、これは慰め言葉
だったのです。「熱意がすべてだ」と。
熱意が人の心を動かし、会社を動かすの
です。
指導者は熱意だけは最高でなければなり
ません。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月12日 「説得力を生む基本は」

説得力を生む基本は、これが正しいのだ、
こうしなくてはいけないのだ、という強い信念
なのです。

自分の使命は何か、どう生きるべきか、
幸之助は、松下の経営理念に反していないか、
常に自己観照していました。

すべての判断基準が経営理念だったのです。

「君は松下の経営理念に反している」と、
いつも叱られていました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月11日 「商売の秘訣の一つは即断即決」

商売の秘訣の一つは即断即決、しかし、合わせて三度念を押す
慎重さも必要です。
幸之助は、いつも即断即決していました。
それが出来たのは、いつもその仕事のあるべき姿を求めてブレ
なかったからです。
また、それまで何回も何回も、考えて考えて、決断していたのです。
宇宙の大きな視点と、三度念を押す慎重さこそ商売の秘訣です。