『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

「僕は忠義をする積り」

僕は忠義をする積り、諸友は功業をなす積り。   
安政6年正月11日「某あての書翰」

【訳】

僕は主君や国家に対し、まごころをもって仕えるつもりである。
君たちは、手柄を立てようとしているだけである。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

12月7日 「自ら断崖の淵に立て」

不景気になると、もうだめだとあきらめる人がいます。
幸之助は、長い人生の中で五度の逆境を体験しています。

「まわりの影響でじわじわと断崖に追い詰められたら、どん
な人間もいい考えは浮かんでこん。断崖の淵に自らの意思
でたつんや」

自らを追い詰めて断崖の淵に立てば、そこから独創性が生
まれてくるのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

12月6日 「神が許さん」

幸之助は、共存共栄を信念としていました。

私はファクシミリの世界のシェア―を独占する方法はないかと、
あれこれ真剣に考えていました。しかし、その考え方を知ると、
烈火の如く叱られました。
「自分が独り占めしようとすれば、世間は許すかもしれないが、
神は絶対に許さん」

今でも、「世間は許しても神が許さん」という言葉が心に残って
います。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

12月5日 「己を成して」

士を得るは最も良策。併し士をして吾れに得られしむるの愈れりと為すに如かず。
己れを成して人自ら降参する様にせねば行けぬなり。
(中略)人を結ぶも吾れより意ありては遂に長久せず。
(中略)只だ自力を強くして自ら来る如くすべし。   
安政5年6月28日「※久坂玄瑞あての書翰」

【訳】

心ある立派な武士を同志として得るのは最善の策である。
しかし、そのような武士に、お前(高弟久坂玄瑞)のところに自らやってこようと感じさせる方が、
より勝っている。自分を鍛えて立派な人物とし、人が自分から寄って来るようにしなければいけない。
(中略)人と同志になるとしてもお前の意志からでは長続きしない。
(中略)ただ、我が身の人間としての魅力を鍛え上げ、相手が自分から来るようにすべきである。

※1 長州藩医の子 久坂玄瑞。松陰が高杉晋作と共に最も期待した高弟の一人。吉田松陰の妹文が嫁いだ。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

「確節の修行怠るべからず」

人の父母の存没妻子の有無等にて時々変革あるなり。確節の修行怠るべからず。  
 安政6年正月10日「※岡部富太郎・入江杉蔵あての書翰」

【訳】

人間は、父母の生死や妻子の有無などによって、(志や気持ちなどが)その時々に変わるものである。
だからこそ、志を確実なものとする修行を怠ってはならない。

※1 長州藩士 佐世八十郎一誠。後、前原一誠。松陰の高弟。

 ※2 長州藩士の足軽入江杉蔵。松陰の高弟。野村和作は実弟。