『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

9月3日 「天下一人の吾れを信ずるものなきも」

 

天照豈に霊なからんや。先公豈に神なからんや。霊神蓋し謂ふに、吾が誠未だ至らず、姑く吾れに戯むるるに艱難を以てし、吾れを欺くに挫折を以てするか。天下一人の吾れを信ずるものなきも、吾れに於ては毫も心を動かすに足るものなし、独り天照・先公の棄つる所となるは、吾れ其れ勝ふべけんや。 安政6年3月23日「※和作に与ふ」

【訳】

天照大神にどうして霊魂がないであろうか。必ずある。これまでの歴代藩主にどうして神霊がないであろうか。必ずある。思うに、私の誠が足りないから、それらの霊魂はしばらく私に辛い苦しみを与え、また私の思いをくじくのであろうか。この天下に一人も私を信じてくれるものがいないとしても、私にとっていささかも心を動かすものではない。ただ、天照大神や歴代藩主の霊魂に見捨てられたら、私はどうしてそれに耐えることができようか。できはしない。

※和作は入江杉蔵の実弟であり、松陰の高弟である野村和作。後の子爵 野村靖。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

9月2日 「衆知を集めよう」

どんなに努力しても人の協力なくして成功はできません。
つまり自分一人では、そこそこの仕事はできても、大きな
仕事は出来ないのです。

大きな仕事をするには衆知を集めることが大事です。
このことが、しっかりと心の中にきざまれれば、勝利の
二文字が一切を開きます。幸之助の教えです。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

9月1日 「公に背いて私に徇ふこと」

公に背いて私に徇ふこと、吾れ万死すとも能はざるなり。 安政6年2月27日「要駕策主意 上」

【訳】

国家に背いて、自分一身の欲望を満たすことなど、私は何回殺されても、そんなことはできない。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

9月1日 「自分を正し続けること」

幸之助は、いつも自分を正し続けることに努力を重ねて
いました。
「木野君な、正すべきところは、正してこそ、自分を向上
させることが出来るんやで。正すところを正さんから成功
しないんや」
常に、自分自身を客観視することは、難しい問題ですが、
それに成功しないかぎり、指導者の役割は果たせません。
指導者は、毎日が自分との闘いです。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月30日 「一箇不朽なるものを成就せば」

人生倏忽、夢の如く幻の如し、毀誉も一瞬、栄枯も半餉、唯だ其の中に就き、一箇不朽なるものを成就せば足る。 安政6年2月22日「※松如に復す」

【訳】

人生というものは極めて短いものであり、夢、幻のようなものである。誹りを受けることも、褒められることも一瞬である。栄えることも衰えることも瞬時である。はか
ない人生である中で、一つだけでいい、永遠に朽ちない事柄をなし遂げられれば十分である。

※長州藩士佐世氏の家来、土屋矢之助蕭海。松如は字。松陰の友人、同志。生涯松陰を助けた