『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

6月7日 「細行を矜まざれば」

 

「行住坐臥、暫くも放心せば則ち必ず変に臨みて常を失ひ、一生の恪勤、一事に於て闕滅す。変の至るや知るべからず」と云ふは、細行を矜まざれば、遂に大徳を累はすと云ふと同一種の語にして、最も謹厳なる語なり。  安政3年8月以降「武教全書講録」

【訳】

「普段の生活において、一瞬でも安心して、気を抜けば、必ず非常事態に遭遇した時、平常心を失い、生涯をかけて励み勉めてきたことも、一つのちょっとしたことで、全てをなくし、失ってしまう。いつ変が起こるか、予測することは難しい」ということは、些細なことにも心を尽くして対応しなければ、ついに、(それまでの生涯をかけて築き上げてきた)大きな恩徳さえも台無しにしてしまう、というのと同じ教えである。最も慎み深くて厳格な言葉である。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月7日 「善循環の発想を」

幸之助は、「不況なお良し」と、不況の時に大きく飛躍し
ています。「不況は自分の心の内にあり、外側の環境に
はないのだ」と、教えられました。

この時代を悲観的に解釈すれば、経済の動きに一喜一
憂せざるを得ません。多くの人が自信をなくしていますが、
私は幸之助の教えこそ今の世の中を救うとさえ思ってい
る一人です。

すべては生成発展という善循環の始まりの発想を持つべ
きでしょう

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

6月7日 「蒼天に附す」

 

身跡を将つて蒼天に附す。  安政2年正月元日「乙卯稿」

【訳】

我が身は全て天運にまかせる。(自分であれこれと画策しない。)

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月5日 「声なき声に耳を傾ける
努力が必要」

幸之助は私が再建会社の代表になった時に
注意すべきこととして、次のように話をして
れました。

「最高責任者には、本当のことを言ってくれる
社員は少ない。それだけに、声なき声に耳を
傾ける努力が必要だ」と。

「声なき声を聞くために、耳が二つある。
見えない物を見るために目も二つある。
口は一つなのは、指導者には二言あっては
ならないということなのだ」

と、厳しく教えてくれました。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

6月6日 「平生の言行各々其の遺命なり」

 

明君賢将と暗君愚将とは平生に定まることなれば、平生の言行各々其の遺命なり。  安政3年8月以降「武教全書講録」

【訳】

立派な殿様、賢明な将軍であるか、あるいは馬鹿な殿様、愚かな将軍であるか否かは、日ごろの生活において決まることである。つまり、日ごろの言葉や行いはそれぞれ(その人の)遺言、臨終の時のいいつけと一緒である。