ただ為すべきことを為す

私たちが住まう、この日本という国は、歴史上において度重なる様々な重圧を跳ね返してきた国といえます。

たとえば、鎌倉幕府の御家人が総力を結集し防御した、二度にわたる元の襲来をはじめ、欧米列強の植民地支配に屈することなく国策として近代化を果たした殖産興業政策などは顕著な実績です。

もちろん、空襲に焼かれた焦土の中から立ち上がり、経済大国に上り詰めた、戦後復興・経済成長は言うまでもないことです。

こうした先人たちの姿に比して現代の私たちは「重圧に耐える力が弱くなった」と言わざるを得ません。現代人を評する様々な論説においても、そうした見解が示される場合が多々あります。なぜ、そうなってしまったのでしょう。

今の時代、余程の事情がなければ、最低限の衣食住を欠くことはあり得ないほど、恵まれた環境で私たちは暮らしています。先人たちが重圧を克服してきた環境とは、天と地ほどの差があるはずです。

 

このような生活の中で、必要以上に便利さを求めたり、手間を嫌がるような風潮も、現代人の脆さの一因と考えられます。煩わしいことを避けて「頑張らなくてもいい」という生活が習慣化すると、ここぞという場面で踏ん張りが利かなくなることは、想像に難くないことです。

そもそも、重圧を感じるということは「良く見せたい」という虚栄心の強さが根底にあります。実力では「難しい」と判断したことに対して「できない姿を見せたくない」という思い。この二つの心が葛藤し、そこに生じたギャップが重圧を生むのです。

この「良く見せたい」という虚栄心を取り除くことが、重圧に押し潰されないためのヒントになります。そこで大切になるのが「できない自分もいると認める」こと。そして「失敗することを恐れない」ということです。

その良い手本を「幼い子供の姿」に見出すことができるでしょう。

たとえば、自転車に乗る練習など、何度失敗しても繰り返して挑戦し、時を忘れて没頭します。そこには「失敗したらカッコ悪い」といった虚栄心は感じられません。

大苦難に遭遇した先人たちの心にも、このような虚栄心などは、生じる余地はなかったのかもしれません。

事極まれば、なりふり構わず、ひたすら目前の事態に善処するしかないからです。ただ為すべきことを為すという、澄み切った心境に至ることこそ、重圧を跳ねのける秘訣といえるでしょう。

倫理運動の創始者、丸山敏雄は「働いているように見えるうちは真の働きではない。働きのままがあそびとなり、あそびが真のはたらきとなる」と説きました。黙々と働いている姿を傍目に見ると、喜々として遊ぶ子供の姿のようにも見えます。

あれこれと先のことを憂えず、ただ目の前のことに対して一心不乱に取り組む時、重圧に押し潰されるという感覚は無縁のものとなるでしょう。

一杯のご飯も私の一部分

日本は世界最大の農産物輸入国です。先進国の中で、食料自給率が40パーセントを切っているのは日本だけです。

食生活の多くの部分を輸入に頼りながらも、さらに問題視されている事柄があります。それは「食品ロス」の問題です。

農林水産省の発表によると、まだ食べられるにも関わらず、売れ残りや食べ残しにより、年間およそ632万トン(食品産業330万トン・一般家庭302万トン)もの食品や食材が廃棄されているそうです(平成25年)。この量は、国民一人ひとりが、毎日茶碗一杯のご飯をゴミとして捨てていることと、ほぼ同じになります。

こうした状況を変えようと、「食品ロス」を減らす運動が今、全国に広がりつつあります。

その一つが、「三○一○(さんまるいちまる)運動」です、これは、宴会の「初めの三十分間」と「お開き前の十分間」は、自分の席で料理を楽しむ時間にしようと参加者に呼びかけるものです。

Yさんは、ある宴会に参加した際、この運動のことを知りました。とても良い取り組みだと思い、最後の十分間は、日頃、食べ残してしまうようなものにも箸を伸ばしました。例えば、刺身のつまです。

いつもなら手をつけない大根や人参の千切りを率先して食べてみると、思いのほか口の中がサッパリとしました。これまでは、〈単なる飾り物〉〈安価なもの〉〈鮮度が気になる〉などと馬鹿にしていた「つま」が、案外おいしいものだと気がついたのでした。

同じように、自宅では、妻が作ってくれた料理に対して、「今日は煮魚が食べたかった」「もっと薄味がいい」などと注文ばかりつけていたのです。

Yさんは、自分なりの理屈をつけては食べ物の選り好みをしていたことを反省しました。そして、食卓につく際、次の三つの事柄を心がけるようになりました。

①出されたものを、自然の恵みとしていただく。②生産者・料理人の心をしのんで感謝し、労をねぎらう。③食膳にあがったものは、喜んでいただく。

この心がけにより、食事に不平不満を言うことが減ったYさん。さらに、〈ありがたい〉という気持ちが強まるにつれ、食材の購入や食後の後始末を家族と一緒に行なうようになりました。感謝の気持ちが、行動へと変わっていったのです。

私たちにとって、食物は命の糧であり、生命を養うためのエネルギーです。今日いただく一杯のご飯、一杯の汁が、自分の血となり、肉となり、骨となります。だとすれば、食卓に並んでいる食べ物そのものが、わが生命の一部なのだとも捉えられるでしょう。

年末にかけて宴席が増えたり、ご馳走をいただく機会が多くなる時期です。目の前にある食べ物は、自分の生命の一部なのだと自覚して、感謝をもって向き合いたいものです。その心は、食べ物を無駄にしないという行動につながり、やがて日本全体の食品廃棄をも減らす一助となるでしょう。

 

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

12月27日日 「君の身柄は私が預かる」

幸之助とのご縁は、PHP運動でした。
私は当時大学生(21歳)でしたが、中退してこの運動に
没頭したいと思い、熱心に頼み込んだのです。

幸之助が一番苦しい時でしたが、本当の国民精神復興
活動であると共感したからです。昭和23年の秋のことで
す。「君の身柄を私が預かる」と言われました。

幸之助はどんな「縁」でも大切にした人でした。

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代表取締役   末本 要一

TEL   092-401-9009 FAX 092-401-9007
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安岡正篤一日一言

「孝」という字/安岡正篤一日一言1227

人間は進歩しようと思えば、統一がなければならない。
教育とは何ぞやと言えば、つまるところは先輩・後輩と長者・少者の連続・連結の役目をなすものでなければならない。
要するに孝という字は、単に親を大事にして、親に尽くすという意味だけではなくて、親子・老少、先輩・後輩の連続・統一を表わす文字である。
そういうことを知って孝経や論語を読むと、限り無い教訓がその中に含まれておることがよくわかる。「孝」という字/安岡正篤一日一言1227

人間は進歩しようと思えば、統一がなければならない。
教育とは何ぞやと言えば、つまるところは先輩・後輩と長者・少者の連続・連結の役目をなすものでなければならない。
要するに孝という字は、単に親を大事にして、親に尽くすという意味だけではなくて、親子・老少、先輩・後輩の連続・統一を表わす文字である。
そういうことを知って孝経や論語を読むと、限り無い教訓がその中に含まれておることがよくわかる

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『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

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―この時代をいかに乗り切るか―

12月26日 「人の話をよく聞け」

幸之助は人の話をじっくり聞く人でした。
「君な、人の話を聞くときは、相手の本当に言いたいことを
聞くんやで。自分の考えを挟んだらあかん。素直に相手の
立場になるんや」
幸之助によく言われました。
道元禅師は、「耳で聞くな、目で見るな、体全身で聞き、
身と心で見ること」の大切さを説いています。
幸之助の偉大さを痛感しています。

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