『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月5日 「難局に直面した場合」

難局に直面した場合、幸之助は「まず、その事実・事態を
はっきりと素直に認識することが大事である」と、言って
います。
あわててはいけないのです。

この難局の向こうに成功があることを確信することが大切
であり、難局こそ成功に至る道と信じることが大事なのです。

未来は、今の生きる振る舞いによって決まるのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月4日 「たとえ失敗したとしても」

幸之助は、「たとえ失敗したとしても、それはある一定期間の
失敗である。だから元気を出して、もう一度挑戦したらええんや。
まわりまわって生成発展ともなり得る」と言っていました。

不景気でも良いものは売れるのです。
だから、品物がよく、価格も適切なら、不景気でなくなります。
成功の道は、知恵と、愛と辛抱なのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月2日 「人間だから行き過ぎることもある」

「人間だから行き過ぎることもある。そういう場合は、
すぐ引き返すこと、その見極めがなによりも大切だ」
と、幸之助はいつも言い聞かせていました。

「今が、最善だと思っても、それは、今日の最善であり、
明日の最善ではない」
ものごとは日々進歩しているのです。
生成発展しているのです。
いつ如何なる時でも学び続ける大切さを教えられました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月1日 「結局は社長一人の責任」

会社の経営の良否は、結局は社長一人の責任です。
部は部長、課は課長一人の責任なのです。

責任者は言うべきを言うだけでは足りないのです。

幸之助は、「相手に深い感銘を与える話をしてこそ指導者なのだ」と
教えてくれました。
感銘あってこそ共感が生まれ、経営の良否が決まるのです。
人間としての美しさを磨きあげ相手に深い感銘を与えるのが、社長の責任です。

心の贅肉を減らすには?

数年前より、健康診断の結果が芳しくなかったN氏。一念発起して、ウォーキングを始めました。万歩計を購入し、一日一万歩歩くことを目標に掲げました。

しかし、なかなか効果は現われません。何度もやめようと思いましたが、妻に「頑張ってね、いつまで続くかわからないけど」と言われたことで奮起しました。〈よし、絶対続けてやるぞ!〉と決意。三カ月、半年と続けていくうちに、体が軽くなるような感覚を覚えました。食事にも気をつけるようになり、一年後の健康診断では、数値が大幅に改善していたのです。体重も五キロほど減っていました。

ウォーキングを続けて成果が出たことは、N氏にとって大きな自信になりました。やればやった分、結果が出ることがわかり、続けることの大切さを実感したのです。

健康な体を取り戻すことができたN氏は、充実した日々を送っていました。しかし、思いがけないところから、心の平穏が崩れていったのです。

 

ある日妻に「たまには皆で食事に出かけようか」と声をかけると、「お金がもったいないから」と断られました。また、子供にも「どこかに出かけよう」と誘うと、「めんどくさいからイヤだ」と断られたのです。何気ない家庭内でのやりとりですが、N氏には面白くありませんでした。それどころか、無性に腹が立ったのです。

〈父親である俺が誘っているのに、なぜ断るのか、なぜイヤなのか〉

〈忙しい中、これだけ家族のことを考えているのに、何も分かっていない!〉と、苛立ちを抑えることができません。

次第に家庭内での会話も減っていく中、『万人幸福の栞』のある頁が目に留まりました。

「人を改めさせよう、変えようとする前に、まず自ら改め、自分が変わればよい」という、長年読んできた一節が、初めて、自分の問題として響いてきたのです。

まさに自分は家族を改め、変えようとしていました。ウォーキングで結果が出たのと同じように、

 

「自分がこれだけ思っているのだから、家族もそれに応えるはずだ」という、一方的な思いを押し付けていたのです。そして、思い通りにならないことに腹を立て、家族を責めていたのでした。

〈肉体は健康になったけど、内面は不健康だったな〉と心の内を振り返りながら、N氏は、やればやるだけ結果が出るウォーキングと、人の心は違うのだと気づいたのです。「ひとりよがり」だった自分を反省したN氏は、家族の気持ちや状況を思いやるようになりました。そして、妻や子供の話を、まずは「そうだね」と聞くように心がけました。

また、職場においても、社員の意見を聞いた上で、アドバイスをするように変わってきたのです。

ストイックに自分を磨き高めていく生活は、独善と隣り合わせです。家庭内の問題を機に、自分を深く見つめたことで、心のあやまりに気がついたN氏。体の贅肉(ぜいにく)と共に、心の贅肉も取ることができたのでした。