『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

4月5日 「つい、人間は弱気になってしまう時がある」

つい、人間は弱気になってしまう時があります。人間は頭が良い
ので、頭の中で勝手に「出来ない理由」を考えてしまうのです。

「決意する時は頭で考えないことが大切や」と、幸之助はよく言っ
ていました。いつも全身で決意していたのです。

「決意は、魂で『こうする』と信じ、実行してこそ実現するものだ」と、厳しく
教えられたものです。

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魂で決意し実行します。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

4月4日 「人の話を聞いて成長するもんや」

「君なぁ、人間というもんは、人に会って人の話を聞いて、成長
するものや。
人を育て、人を生かすという事は、人の話を聞くことから始まる
のやで。だから、人の話はよく聞くものや。
僕の耳は、人の話を聞くたびに、だんだん大きくなったんや」と、
幸之助は大きな耳を動かせて見せました。

衆知を集める経営のポイントは人の話を素直に聞くことからは
じまるのです。
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素直が大切ですね。

人生の肯定と否定

物価はどんどん高くなる。乗りものに乗っても、食堂に行っても、
何を買っても高いという感じが消えない。ストがはじまり、人件費があがり、
そしてまた諸物価にはね返る。
こうした経済上のいやなこと、困ったことなどに直面して、どのような心がまえでいるべきか。
そのほか天災、地変もあれば、泥棒にあったり、病気にかかったり、会社がつぶれたり、
人に裏切られたり、さまざまな問題もある。こうしたすべての出来ごとにたいして、
まず私たちは、どのようにあるべきなのか。
簡潔にいおう。私たちはまず、こうしたものを肯定することだ。よしとして受け入れることだ。しっかと、わが胸に、心に受け止めることである。
といえば、ただちに疑問が湧こう。物価はうなぎ昇りに高くなるままでよいのか。
病気になったら、治さなくてもよいのか。火事にあっても、泥棒に入られても、
それでもよしとじっと我慢するのか。
もちろんそうではない。肯定とか、受けるとかいうのは、
そのままほうっておくというのではない。当然よくもないものはよくないのだし、
直すべきものは、直さねばならぬ。法を犯す者を、
そのままほっておいてよい道理はないのである。
 ここに肯定するとは、すべての出来ごとを、まずそのまま捉える、
そのとおりにキャッチするということだ。雨がふったら、その雨降りというできごとを、
正しく受けとめるのである。そして傘をちゃんとさして出かける。嵐になれば、
そのことをそのまま肯定する。そして風を防ぐようにする。雨が降り、風がふいているのに、
そうではないなどと否定したところで、どうしようもあるまい。
 すべて原因があって結果が生ずるという因果律の法則は、自然界、
人間界のすべてにあてはまるのであるから、目の前の現象を、まずそのまま肯定し、
受け入れるのでないと、正しく対処することはできない。
台風は起こるべくして起こっているのだから、はじめからこれを否定していると、
正しい措置をとることが難しくなる。私的感情を雨や台風にぶっつけていても、役にたたぬ。
 この意味では、あらゆる苦難にたいし、「そう来たか、よろしい、では、こうしよう」
という心がまえで、まずその苦難を肯定し、つぎにどうするかを研究することだ。
これを「よろこんで苦難にあたる」という。苦難をいやがり、きらい、おそれ、
逃げまわるというような否定的態度では、
じつはその苦難によって与えられるべき数々のプラスを失ってしまうことになる。
 病気などは人生の最大不幸のひとつだが、病気にかかったら、「この病気にかかった。
よろしい。これも原因があってなったのだから」とまず肯定して、
ではこうしようと心がまえをきめることだ。これに反し、その病気をきらい、おそれ、
心配ばかりして否定していると、ますます病気は重くなり、正しい解決法ができにくくなる。
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自分は、今迄の経験で、困難にあった場合、
まず覚悟を決めること。この事により問題が解決していく。

クレームは敵か味方か

お客様からのクレームや不満は様々です。
「店員を呼んでもなかなかこない。何分待たせるんだよ!」
「Yシャツのボタンが取れやすいじゃないか!」
「こんな髪型にしてと頼んだ覚えはないわ!」
 こうした声は、自社のサービスや製品の質を高めるきっかけになります。
信用を維持し、また回復するためにも、真摯な対応が求められます。
 飲食店を経営するA社長は、お客様の声を直接聞くために、各店舗に、
社長宛「ご意見ハガキ」を備え付けています。
来店者の生きた声を宝庫と捉え、そのすべてに返信をし、必要な情報を社内で共有し、
活かしています。
 また、地元で育つ良質な木材を生活用品として加工・販売しているB社では、
取引先やお客様からの細部に至る要求やクレームに対して
「次のヒントにつながるありがたい情報」と捉え、木工スタッフの技術向上に活かしています。
 
顧客からのクレームや不満を事業に活かす企業が増えていることに目をつけた森田晋平氏は、
二〇一二年六月、株式会社不満買取センターを立ち上げました。
 これは、消費者の不平不満を買い取り、その声を企業に売り込んで、
事業のアイデア探しや商品開発に役立ててもらおうというビジネスです。
 不満を売りたい人は、同社のホームページを通じて、
商品やサービスへの不満を投稿します
(ただし、特定の企業や商品を名指しした不満は買い取らないそうです)。
同社は消費者の声を、飲食店や宿泊施設・美容・通信販売などの業種別に分類して、
一千件の不満を載せた冊子にして、企業や自営業者向けに販売しています。
 消費者の不満を集めて売る、という発想はユニークです。不満といえば、
とかくマイナスイメージがありますが、
お客様の不満が新しい商品の開発に活かされることを考えると、
顧客満足のための良き材料になるでしょう。
様々なクレームや不満は、できれば聞かずにおきたいと思うものです。大
小問わず、身にふりかかってくる苦難は避けたいと思うのが人の心情でしょう。
  いやなこと苦しいことを、どうして喜んで迎えられようか。それは、一応はそうである。
苦難というものは、ひどい顔をし、いやな形をして、苦痛のすがたをとってはいるが、
実は我らの敵ではなくて、味方である。というよりか、一番親身に我がためを思って、
つっかかってくる正義の友である。 (丸山敏雄著『人類の朝光』より)
もちろん、誠実に対応しても、言いがかり的な苦情を浴びせてくる人や、
法に触れるようなクレームもあるでしょう。その場合は、毅然とした対応が必要です。
 しかし、いずれにしても、長い目で見ると、それらの対応すべてが担当者を成長させ、
対応マニュアルの見直しやもろもろの改善につながります。
ふりかかるすべてを自社成長の契機としたいものです。
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クレームは誠実に対応して、2度と同じ過ちをおかさぬよう努めます。
何事からも学び、成長します。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

4月3日 「心は無限」

「心は無限、万策尽きた時がチャンスだ」と。
幸之助の心はいつも雨上がりのように澄み切っていました。
心は見えないが、瞬間瞬間、その人の一切を方向づけているものです。
だから、心がどこに向かっているかで、その人の一生が決まってしまうのです。
不可能はそう決める心の中にあるのです。
人間には無限の可能性があります。
無限の可能性を信じたことが幸之助の成功を築いたのです。
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苦難は幸福の門
心の持ち方で全てが決まります。
プラス思考で無限の可能性を掴みます。