『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月22日 「事を済すは誠に在り」

事を済すは誠に在り。 安政6年正月25日「※君儀に復す」

【訳】

物事をきちんとやり遂げることができるのは、まごころだけである。

※安富惣輔。君儀は字。野山獄の同囚、門人。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月21日 「祖先に孝するは」

祖先に孝するは栄禄に非ざるなり。父母に事ふる定省に非ざるなり。祖先の忠を墜さず、父母の名を忝しめず、孝・事の大、是れのみ。 安政6年正月24日「※1李卓
吾の『劉肖川に別るる書』の後に書して※2子大に訣る」

【訳】

先祖に尽くすというのは、名声を得たり、高い俸給をもらうことなどではない。父母にお仕えするということは、親にうやうやしく仕え、孝養を尽くすことなどではな
い。祖先の残された忠の実績、その心を汚さず、また、父母の名前をはずかしめないことである。孝行する、また、仕えるとは、こういうことであり、これ以上のことは
ない。

※1 1527~1602。中国明代の思想家。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月21日 「許されない」

「企業が天下の人・モノ・土地・金を使いながら、社会に何のプラスも
もたらさないのは許されない」

いつも幸之助は松下の基本理念として、こう言い続けてきました。

「本当の経営は、世のため、人のために行うのだから」

幸之助は、私企業といえども、人もモノも、金も、皆、公のものととらえています。
公のものを使って、赤字を出し、公に奉仕出来ないのは、罪悪だと強く戒めていました。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

「復た能く為す」

後世の人、智慮短浅、一旦敗衂すれば志気頓に沮喪し、復た能く為すことなし。 安政2年7月2日「講孟劄記」

【訳】

(昔からみれば)後の世である今の人は、先々のことや細かなことまでよく考える知恵が足りず、浅い。一回、(戦いに)負けると、志、やる気はすぐにくじけてなくな
り、再びやろうという気持ちになることはない。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月20日 「互いに寛容致し」

多人数の中には、自然気性の不同も之あるもの候へども、此れ等の類大概私心より起る事に候へば、互いに寛容致し、隔心之れなき様相心得、先進を敬ひ後進を導き候
儀、肝要たるべく候事。 嘉永元年12月「兵学寮掟書条々」

【訳】

多くの人がいる中には、自ずと気持ちの合わないものもいるだろう。しかし、これはたいてい、私心、俺が俺がという、私欲をはかる心から起こることである。そこ
で、お互いに咎めだてしないようにし、へだてのある心を起こさないよう、気を配ることが大切である。また、先輩を敬い、後輩を正しく導く、ということが非常に大
切である。