『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

7月25日 「治国の要は」 

 

治国の要は賢を挙げ能を用ふるに在り、是れ古今の通論なり。然れども徒らに挙げて之を用ふるを知りて、而して之を鼓舞激厲するを知らざるは、其の初にして則ち未だ
しきなり。  安政4年4月上旬カ「※周布公輔に与ふる書」

【訳】

国家を治める際の要点は、賢者を登用し、能力のあるものを採用することである。これは昔から今に至る、人々の認める真理である。しかし、今、挙用することを知って
いながら、これらを激励し、気持ちを奮い立たせる、ということを知らないというのは、人を用いるということの初心者であり、人を挙用するにはまだ早すぎる。

※長州藩士 周布政之助公輔。松陰の同志だったが、後、離反。松陰刑死後、遺骸埋葬を助けた。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

7月24日 「進みすぎても、遅れすぎても困る」

「経営は、進みすぎても、遅れすぎても困る。
一歩進んでいる状態が望ましい」

幸之助はいつも経営を冷静な心で見ていました。
バランス感覚が研ぎ澄まされていました。

進みすぎず遅すぎず、今という一瞬一瞬を、
精一杯生きる積み重ねが企業の成功を
創り出すのです。

心を素直にしておけば、大体のことは予見でき、
謙虚な気持ちで努力すれば、たいていのことは
成就するものです。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

7月24日 「物の常」 

 

一治一乱は政の免かれざる所、一盛一衰は国の必ずある所にして、衰極まりて復た盛んに、乱極まりて又治まるは則ち物の常なり。 安政元年冬「幽囚録」

【訳】

治まったり、乱れたりするのは政治を行う上で、逃れられない所である。栄えたり、衰えたりするのは、国家には必ずあることである。窮極まで衰退し、また盛んとなる
こと、窮極まで乱れて、また治まることは、ものの常である。

●物の道理を見極める目をもちたいものです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

7月23日 「足るを知る」

「足るを知るということがないと、いつも不平や不満で心を
暗くすることになってしまう」
幸之助はこう言って人の道を諭してくれました。

人間は、心の動物であり、感情の生き物です、
幸せとは、心が癒されること、心が豊かになることです。
幸之助は、人の心に灯を与え続けた人でした。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

7月23日 「無丁の野漢」 

 

大抵文辞ある人は言語信じ難し。無丁の野漢、是れ僕の※1此の人を取る所以なり。  安政6年正月2日「※2子遠に与ふ」

【訳】

だいたい、ちょっと学問をして、得意になっているような人の言葉は信じられるものではない。しかし、文字は全く知らなくても、上辺を飾らず、誠実であること、これ
が僕がこの人を信用する理由である。

※1「此の人」とは、野山獄の番人であった孫助をさす。

※2 長州藩の足軽 入江杉蔵。松陰の高弟。村和作は実弟。